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クズ

"クズ(葛、学名: Pueraria montana var. lobata)は、マメ科クズ属のつる性の多年草である。日本では、根を用いて食材の葛粉や漢方薬が作られ、万葉の昔から秋の七草の一つに数えられている。
和名は、かつて大和国(現:奈良県)吉野川(紀の川)上流の国栖(くず)が葛粉の産地であったことに由来する。漢字は葛を当てる(「葛」で表記する場合もある)。
中華人民共和国等の中華圏では、鶏斉根(繁体字: 雞齊根、簡体字: 鸡齐根、拼音: jīqígēn、雞は鷄の異体字)とも呼ばれる。"
地面を這うつるは、他のものに巻きついて10メートル以上に伸び、全体に褐色の細かい毛が生えている。
根もとは木質化し、地下では肥大した長芋状の塊根となり、長さは1.5メートル、径は20センチに達する。
葉は三出複葉、小葉は草質で幅広く大きい。葉の裏面は白い毛を密生して白色を帯びている。
花は8-9月の秋に咲き、穂状花序が立ち上がり、濃紺紫色の甘い芳香を発する花を咲かせる。花色には変異がみられ、白いものをシロバナクズ、淡桃色のものをトキイロクズと呼ぶ。
花後に剛毛に被われた枝豆に似ている扁平な果実を結ぶ。
つるを伸ばして広い範囲で根を下ろし、繁茂力が高い。かつての農村では、田畑の周辺に育つクズのつるを作業用の材料に用いたため、定期的に刈り取られていたが、刈り取りを行わない場合は短期間で低木林を覆い尽くすほど成長が早い。伸び始めたばかりの樹木の枝に巻き付くと、それによって樹木の枝が曲がってしまうこともあるため、人工林においては、若木の生長を妨げる有害植物と見なされている。
クズは根茎により増殖するため、地上部のつるを刈り取っても地下に根茎が残り、すぐにつるが再生する。
様々な昆虫のつく植物でもある。たとえば、黒と白のはっきりした模様のオジロアシナガゾウムシ、マルカメムシはよくクズで見かける。また、クズの葉に細かい虫食いがある場合、それはクズノチビタマムシによる食痕であることが多い。東南アジア原産の外来昆虫であるフェモラータオオモモブトハムシの幼虫はクズの蔓を肥大させて虫こぶ(ゴール)としその中を食べる。
温帯および暖帯に分布し、北海道から九州までの日本各地のほか、中国からフィリピン、インドネシア、ニューギニアに分布している。世界の侵略的外来種ワースト100 (IUCN, 2000) 選定種の一つである。荒れ地に多く、人手の入った薮によく繁茂する。

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